|
レース前に台に上って、発走合図の赤旗を振り、ゲートを開ける。それが皆さんから見たスターターの仕事だと思います。しかし、それは競馬開催日の仕事。では、平日はどんな仕事をしているのでしょうか?
以前にもこのFAQのコーナーでお話したことがありますが、馬はとても臆病な動物で、狭いところに入るのは苦手です。ですから、ゲートに入るということは彼らにとっては怖いことなのです。でも、その恐怖心を克服しなければ競走馬にはなれません。ですから、厩舎関係者のみなさんは追いきりといった調教以外にも、ゲート練習を熱心に行っています。馬も人と同じで十人十色。素直な馬もいれば、乱暴な馬もいます。スターターは、平日の朝早くからトレセンで各馬のゲート練習に立会い、その調教状況を把握することや、クセのある馬の練習方法などについて厩舎関係者の人達にアドバイスをしているそうです。また、初めて競馬に出走する馬や、長い間休んだ馬、競馬でゲートになかなか入らなかったり(枠入不良)、ゲートの中でじっとしていられなかったり(駐立不良)して他の馬に迷惑をかけ再審査の処分を受けた馬などの発走調教の審査(競馬に出走できるかどうかの試験)もスターターのお仕事なのです。ですから、スターターは獣医さんであったり、あるいは馬術の指導者であったりと、馬のことをよく知っている人がその職務についています。そして、開催前には出走するすべての馬のクセを再度チェックして発走時の事故を防止するよう心がけていらっしゃいます。枠入りの悪い馬を他の馬より先に入れるといった枠入りの方法も決めているそうですよ。
もちろん競馬開催日も、ただ旗を振ってゲートを開けている訳ではありません。通常、スターターは3名いて、1日12あるレースを交替で担当しています。では、ゲートを開ける仕事をしてない残りのレースは休んでいるのかといったらそんなことはなく、発走地点でのゲートの設置・作動・撤去の指示、レースごとに各馬の発走状況を記録するといったこともしています。もちろん、ゲートの後ろで出走馬がスムーズに枠入りできるように指示したり、各馬の枠入りが完了したことの合図を送ったりして壇上のスターターのサポートをしています。一瞬の気の緩みが事故に繋がるので集中力を必要とする、とても大変な仕事です。
おわかりいただけましたでしょうか?現在、美浦・栗東の両トレセンに約7000頭の競走馬が在籍しています。そのすべての馬を審査して各馬の癖や練習の状況なども把握する・・・・・といってもとても覚えきれないので、各馬の練習状況や審査の結果をコンピューターで管理しているそうです。スターターのみなさんは私達からはなかなか見えないところで、いろんな仕事をしているのですね。
|