長岡一也の岡目八目 第47回

1番人気にはしないでくれという声が聞こえてきそうです。皐月賞が終わり、ダービー戦線に入っても、相変わらず、1番人気の敗退は続いています。

プリンシパルSでは、モノポライザーが痛恨の3着。皐月賞16着の悪夢からここは正念場とのぞんだ一戦で、あと一歩の力足らずを露呈してしまいました。橋口調教師は、これで清々しました、この馬の力を過信していましたよと語っていましたが、一方、ここで勝ったメガスターダムの松永騎手は、あまり速いタイムの決着になると苦しいでしょうが、ここへきて混とんとしてきましたからとにっこりしていました。

期待する馬たちが次々と敗れて新たな有力馬が出てくることのくり返し、翌日のNHKマイルCで極まった感がありました。

この先ダービーを見据えるタニノギムレットの3着をどう考えるか。この3着はあまりにも不運に見えて仕方ないのです。ここからの巻き返し、どう運気を自分の方に引き寄せるか、そのきっかけをいつ、どんなかたちでつかむことが出来るか。力はあると思うので、目に見えない力の加護があるかないかで判断しようかと思っています。

それにもうひとつ、京都新聞杯・チアズシュタルクの大敗が加わりました。

ここまで1番人気が負け続けると、やはり大一番が気になります。その日が近づくにつれ、その辺の迷いをどう振り払っておくかが問題になりそうです。

年が明けてしばらくは、そこここに強豪が出て来て、今年のクラシックは群雄割拠と見ていました。ところがこれでは戦国ダービーです。この戦国ダービーを制するには、一番何が必要かを考えていかなくてはなりません。実際に18頭の顔ぶれと枠順を見ないことには、何も頭に浮かばないかもしれません。そこまでの期間、頭の中のどうどうめぐりがしばらくは続くことになるでしょう。


長岡一也の岡目八目 第48回

早くから、大混戦、大混戦と騒ぎ立てられると、つい、そうなんだと思い込まされて仕舞います。そんなにオークスは掴みにくいのか、ならば、どれを応援しても可笑しくないということなのか。なんとも、気の安まらないことです。

かつて、桜花賞を勝ったシャダイソフィアがダービーに挑戦したことがありました。今年は、その昭和58年以来、19年ぶりに桜の女王が不在のオークスとなりました。

因みにその年は、桜花賞3着だったダイナカールが勝っています。

これを今年にあてはめると、シャイニンルビーに。両馬とも岡部騎手騎乗という共通点もあります。

例年、桜花賞からの直行組が活躍しているのは、データが示す通り。以前ほど距離適性を考える必要もなくなったということでしょう。桜花賞が魔のペースになるということも少なくなり、先行して巧く立ち回れるタイプが上位に入り、あとは、いくらか器用に差せる馬が有利という結果は、そのまま、オークス2400mに結びつくということなのです。そんなに慌てることもないではありませんか。しかも、桜花賞6着以内と限定すれば、かなりしぼり込めます。

去年は、フローラS組が上位を独占したので、ニシノハナグルママイネミモーゼの評価が上がるのは当たり前としても、今年は稍重で厳しいレースでした。激戦の反動というのが今年のテーマですから、この辺の判断次第では、そんなに波乱を考える必要もないと思うことにしました。

ブルーリッジリバーシャイニンルビーヘルスウォールスマイルトゥモローの4頭の直行組を判断の中心に据え、あとは馬場でも悪くなった場合のケアーを少しすればと考えています。

如何にも事なかれ的な考察で、これも時代を反映しているのです。さて。


長岡一也の岡目八目 第49回

ダービーだけは違うだろうと思いつつ、オークスまでのクラシック3戦を悔やんでみないことには進めない気分です。

桜花賞ではブルーリッジリバー、皐月賞ではノーリーズン、オークスではスマイルトゥモローをそれぞれ狙い馬の中に入れながら、アローキャリータイガーカフェ、そしてチャペルコンサートをつかみ損ね、おびただしく疲れました。よりによって本命馬がことごとく敗退するとは。どれかひとつぐらい2着までに入ってもよさそうなものに、自分の弱気に、逆に参らされています。そう、シャイニンルビーが2度、タニノギムレットが1度と。ダービーを前にして残されたあと1回をどうしたものかと思案中ですが、恐らくはタニノギムレットを追いかけることになっているでしょう。

桜花賞は勝ち馬を無視したので空振りは当然の結果でも、皐月賞は3着タニノギムレットがほんのちょっとのところでの敗戦でしたから、これは悔しさがあとを引きました。

こういうときにはもう一度とダービーを待つつもりが、NHKマイルCが間に入り、ちょっと複雑なのは確かです。

しかし、早くからこの馬には思い入れしていたので、今さら引き下げるわけにもいきません。人馬を信じるしかないのです。

さて、この思いが通じているかどうか。他になにを狙ってみるかは、これまた、オークスが終わった帰りの電車の中で決めています。

オークス馬スマイルトゥモローは桜花賞は6着でした。ならば、皐月賞の6着馬こそダービーではと。その馬、ダービーに出ているかどうかが問題ですが、こういう発想でアドマイヤベガをつかんだことがあり、放送では言えないやり方で、その場をしのぐことは度々あるのです。万馬券ばかりでいいのかと、クラシックレースが泣くぞと、せめてダービーだけは、なんとかなってほしいと切に願っているのですが、果たして。


長岡一也の岡目八目 第50回

私は新聞を全部保存しているので、皆さんがどんな予想をしたのか確認をさせてもらいます。ダービーが終わって、言動には気をつけなければならないという教訓を得ましたと、タニノギムレットの松田国英調教師はとつとつと語って合同記者会見を切り上げていました。
 
どれほど、ダービー優勝への執念を抱いておられたことか、穏やかな表情の内に秘めていたものを、強烈に感じました。
 
大レースの後には、勝利した騎手、調教師さんへの代表質問をさせてもらっています。
取材者がどんな点に注目し、どんな点について聞いてほしいかを集約してインタビューマイクを向けなければなりません。
 
翌日、それぞれの新聞を見て、この合同会見の中の、どんなやりとりに注目していたかがわかります。記者それぞれの思いを通し、語られた言葉をピックアップして、それなりにまとめられています。当然、こちらの思惑とは異なるものもあるのですが、冒頭の松田調教師の言葉をストレートに取り上げたものは少なかったようでした。
 
ダービーにはダービーの傾向があって、そこをベースに、その勝ち馬を探っていくという展望からは、皐月賞、NHKマイルCという戦い方は、かなり厳しいものという見解は成り立ちます。多くが、自信を持った本命には推していなかったのは仕方のないことだったでしょう。
 
一方、戦いに送りだす当事者は、だからこそ、一段と強い信念を抱いてその日に立ち向かっていくのです。その思いの差は、大きくなるばかりでした。
 
冒頭の松田調教師の言葉に、でも、世論はタニノギムレットでしたねと結び、心からその勝利を祝福させてもらったのですが、果して、この気持ちが通じたのかどうか。競馬のむずかしさが、またしても心に残りました。でも、来年以降のダービーに楽しみが。


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