長岡一也の岡目八目 第51回

ひとつの願望がついえた安田記念の結果でした。エイシンプレストンの凱旋初戦、1番人気の示したものは、その勝利と海外G1・2勝馬の颯爽たる勇姿を迎えることでした。それによって、2度にわたる香港の感動がよみがえる筈だったのです。
 
どうしたプレストン、敗因は日本の環境と大見出しの活字が痛々しく、ちょっと残念な思いが尾を引いています。
 
その日の夕方、新宿駅の中央線ホームでアグネスデジタルの白井調教師とバッタリ。プレストンの敗戦を気にしながらデジタルについて、今はゆっくり休ませ、秋に向かって立て直して出直しますよと語っていました。
 
日本が誇るオールラウンダーの今後は、また別の願望を抱かせています。こちらは秋の天皇賞馬であり、香港カップ・フェブラリーSと勝って、引き続き、ドバイ・香港と世界戦に出た強者ぶり。ここへ来ての2度の敗戦にはそれなりの理由があるようですが、海外に遠征するときには、一緒に獣医も行かなければと強調されたのが印象的でした。
 
それともう一点、これからの人は、言葉の問題もクリアして、しっかりコミュニケーションが取れるようにしておくのも大切と、つけ加えていました。
 
強さはもちろんですが、生き物を環境の異なる地に生かせるのですから、ドクターの問題は大きいでしょう。
 
海外でG1を勝ったほどの馬には、国内では負けてほしくないという思いが、私どもには共通してあるような気がします。それだけ、まだ、稀なケースと見ている海外遠征に、弾みをつけてくれたエイシンプレストンアグネスデジタルが、今度どんな姿を見せてくれるか、これは重要な意味を含んでいるようです。そして、その間にも海外遠征の話題は日常的になり、その輪は大きくなっていきそうです。来日する馬より遠征馬の方が多くなる時代が来るのでしょうか。


長岡一也の岡目八目 第52回

今週から各地で一斉に新馬戦が始まり、また、新しい戦いに気をそそられます。ダービーが終れば、次のダービーを目標にという競馬のサイクル、それが今年から、時を同じくしてスタートするようになりました。
 
今年のダービーは獲得賞金額1750万円でも、3/4 という抽せんで出走というレベルの高いものでした。
 
もっとも、去年から2歳・3歳のステップレースが整備された影響もありました。それが、さらに新馬戦の一斉同時スタートになったことで、一層、クラシックをめざす戦いは白熱化する筈です。この結果がどうなるか、今から来春が楽しみになりました。
 
この春のように、各地の各レースを勝ち進んで来た強豪同士の顔合わせというシーンが、随所にみられることは間違いなく、その質が高ければ高いほど、盛り上がります。
 
今年の春は、特に、ブライアンズタイム産駒の強さが光りました。サンデーサイレンストニービンを加えた3強サイアーの時代はまだ続きそうですが、この中で、2世たちのしのぎ合いが激しくなっているサンデーサイレンス系種牡馬の産駒たちの存在が、気になります。どれもこれもが成功の道を歩むとは限りません。2世たちのうち、どの馬が生き残っていくかですね。
 
とにかくサンデーサイレンスを含むこの系統の生産頭数は年々増えており、こればかりではという思いも、ふと浮かんでくるほどです。一度ゆっくり調べてみなければならないでしょうが、デビューする新馬たちの名簿をながめているだけでも、強迫観念にかられるのですから、大いに気になります。
 
日本の競馬が、馬産を含めて世界の注目を集めるのはうれしいことです。ですが、目の前を走る馬たちは、より多彩であるに越したことはありません。毎週毎週、各地で勝ち上がっていく新馬たちの血統を確認していくのも、これからの楽しみです。


長岡一也の岡目八目 第53回

ひと足早く先行発売された福島の新種馬券を体験しました。全体の45%のシェアを占めたその成果は、入場人員の大幅増加というかたちであらわれました。当然、売り上げ増をのぞんだ主催者側の思惑は、昨今の経済事情に多少押され気味で、下げ幅の減少という効果に終ったようです。それも仕方ないことでしょう。
 
それよりも、より面白い馬券が登場したことを歓迎すべきでしょう。
 
実際、配当金は、馬単も3連複も、他のどれよりも多く、これでは全国発売となる7月13日以降、売り上げシェアを多く占めることは間違いないでしょう。
 
しかし、配当金が多いということは、それだけ難易度が高いので、正直疲れます。マークカードの記入に手間取っているうちに、何をどれだけ購入したかが曖昧になり、なんだか自分でも判然としないうちにレースを迎えることが、後半にいくほど多くなります。
 
やはり、事前のチェックは入念にすべきです。それと、自分の検討スタイルを持っているかどうかも大きいですね。あれこれ迷うのが馬券検討ですから、せめて検討スタイルをひとつにして、すじ道をつかんでいるかどうかが、咄嗟の判断を生かすことになります。
 
とにかく新種馬券は、大きな配当が待っています。そのチャンスをどうやって生かすかどうか、やる気が出てくるではありませんか。開幕週の土曜日は、1レースの3連複、4レースの馬単と、最初に発売される馬券にチャレンジすべく、かなり入念な検討をしてのぞみました。それなりの成果はありましたが、教訓とすれば、確信の持てる人気馬がいるかどうかの判断を下し、それから徹底的にマークすることから始めるということでしょう。それを予めみつけられるかどうか。確率から考えれば、とりあえずこれから新種馬券の攻略法が見えてきます。当然、冷静な判断を施し、どこで出動するかですね。


長岡一也の岡目八目 第54回

どこの競馬場にもあるターフビジョンが初めて設置されたのが1984年、東京競馬場でした。あれ以来、この大型映像ディスプレイ装置は、すっかり競馬場の顔としておさまっています。ここに映し出されるレースの成り行きに一喜一憂、それが喚声になり、歓声となり、スタンドの気持ちを素直にあらわしてきました。
 
新種馬券が先行発売されている福島競馬場は、このターフビジョンに映るゴール前に、これまでになかった反応がみられるようになりました。
 
馬単、3連複ともかなりの人気で、特にどこよりも競馬好きを自認する土地柄、他より妙味のある馬券の売り上げは、期待どおりのシェアを占めています。
 
まず、馬単は、最終的にはどっちが勝つかどうかのシーンもあって最後まで油断なく応援しなければなりません。大きな声が出るのは、これまで以上であって当たり前です。
 
それが、3連複のための声援が加わるのでさらにスケールアップしているのです。
 
いくら着順どおりでなくてもいいと言っても、上位3頭を選択するのは容易ではありません。直線に入って、まず2頭は大丈夫となれば、次なるもう1頭を捜します。あと1ハロンというところで、安全圏というケースは少なく、あと1頭をめぐってハラハラするシーンがターフビジョンに。当然、声援はこれまでよりずっと長く続くことになります。
 
58万円もつけた福島テレビオープンでは、12番人気のダイワジアンが直線先頭に立ったところで波乱の胸さわぎがし、2番人気ジェミードレスが猛然と追い込んだところで声援がと、ここまでは普通でしたが、3番手に内の狭いところから14番人気マイネルレグナムが伸びてくる姿がターフビジョンにVTRで再生されると、大穴予感のどよめくような喚声が上がりました。新種馬券、間違いなく、スタンドは活気づいています。


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